交通事故の被害者の統計とそこから読み取れること

2020-04-13

国の交通事故の対策が、確実に効果を出してきています。しかし、それは全体の交通事故の統計であって、当事者にとっては1度の事故が致命傷となります。そのため、交通事故の被害者にならないためには、自分自身が交通事故の対策をすることが必要です。

この記事では、交通事故の統計データと、それらを踏まえて、練るべき交通事故の対策を紹介します。

交通事故を理解することにつながれば幸いです。

→交通事故被害者の交通費請求について

交通事故の種類

交通事故の種類は主に、「車両相互」「人対車両」「車両単独」の3つです。車両相互とは、車両と車両による交通事故を指します。人対車両は、人を車ではねてしまうなどの人身事故のことです。車両単独は、運転している車単体で起こる交通事故のことです2017年度の交通事故統計によると、車両相互が86.8%、人対車両が10.5%、車両単独が2.7%となっています。

このことから、交通事故は車両同士によるものが最も多く、かつ交通事故の大部分を占めているとわかります。

交通事故の多い場所

交通事故の起こる場所は主に、「交差点」と「単路」です。交差点の類型には、「信号あり」「信号なし」「交差点付近」があり、信号のない交差点の事故発生率が高い傾向があります。このことから、信号の存在には注意を促す効果があり、交通安全につながっていることがわかります。

単路の類型には、「トンネル・橋」「カーブ・屈折」「その他の単路」があり、その他の単路での事故が多いことが特徴です。その他の単路とは、その場所の路面状況によって生まれた特殊な道路のことです。特殊な道だったからこそ、車が通りにくく、事故が起こりやすい傾向があります。

そして、2017年度の交差点と単路の事故割合を比べると、交差点が約54%、単路が41%となっています。したがって交通事故は、交差点などの別の車両や人が多く行きかう場所でよく起こるのです。

交通事故の多い時間帯

交通事故の起きる時間帯は大きく分けて、「昼間」と「夜間」です。昼間の時間帯は「自動車乗車中」の事故が多く、夜間の時間帯は「歩行者」の事故が多くなる傾向があります。こうなる理由として、昼間は交通量自体が多いことで、結果として交通事故の起きやすくなる要因が増加してしまい、交通事故が増えます。

夜間の事故の原因は、視界が悪くなることで進行方向の歩行者を認識できなくなるためです。そのため、夜間の事故を減らすためには、ライトを上向きにして、歩行者を早めに認識できるようにしましょう。また歩行者側も、夜間は車も歩行者を認識しにくくなっていることを理解しましょう。

交通事故加害者の状況

交通事故を起こした人の中で、特に多い法令違反が「漫然運転」「運転操作不適」「脇見運転」の3つです。漫然運転とは、集中力・注意力が低下した状態で車を運転することです。運転操作不適とは、ハンドルを回す方向や、アクセルとブレーキを間違えるなどの操作ミス全般を指します。

脇見運転とは、運転中に前方以外のところに注意をそらしたまま運転することです。そして、この3つは「安全運転義務違反」という大分類に入っています。2018年度に起こった死亡事故の6割が、この安全運転義務違反によって引き起こされています。

車を運転するにおいて当たり前のことができていないことが、多くの事故を生み出す要因となっているのです。そのため、路面や時間帯などの環境要因と同じかそれ以上に、運転手がどれだけ安全運転できているかが、交通事故による死者数を少しでも減らすことにつながっていきます。

交通事故被害者の状況

交通事故被害者は、状態別に分けると「歩行中」「自動車乗車中」「二輪車乗車中」「自転車乗車中」に分類できます。この分類の順番は、左から事故死者が多い順となっています。この分類からわかるのは、道路利用者の多い分類であるほど死亡事故が起こるということです。

利用者が少ない二輪車や自転車の死亡事故が少ないのに対し、状況として多い自動車乗車中や歩行者の死亡事故は多くなることが読み取れます。また、状態別の事故死者数のランキングは、年度別にみても変動がなく、強力な要因と判断することができます。

→通学中に起こる交通事故の特徴や加害者が被害者に対して負う責任について

交通事故被害者の年齢

交通事故の死者数を年齢別にみると、「65歳以上」の人から急激に増加していることがわかります。65歳以上の人たちの死者数だけで、全死者数の過半数を占めるほどです。これは、加齢によって注意力や運動能力が低下したことが原因と考えられます。

注意力が低下することで、接近する車両に反応することができず、反応できたとしても体が動かなくなってしまうのです。そのため、公園付近や病院近くの道路などを通るときは、高齢者の存在に注意して走行することで事故予防していきましょう。

交通事故の統計を比べてわかること

交通事故の統計を見比べると、交通事故は「交差点」で起こり、「夜間」の時間帯ほど歩行者が被害に遭いやすくなることが分かりました。また、加害者側の「安全運転義務違反」が交通事故のリスクを高め、被害者側が「歩行中」で「65歳以上」の人であるほど事故にあった時の死亡リスクが高いことも読み取れます。

そのため、自分が歩行者の立場だった場合は、交差点付近では特に気を付けるように心がけ、夜間の外出は極力控えることで交通事故に遭わないようにしましょう。仮に、夜間に外出しなければいけない場合は、暗い色の衣服は避け、明るい色の衣服を選ぶことで、夜間でも認識されるようにすることが大切です。

自分が運転手の立場だった場合は、運転中は前方に常に注意を向け、交差点付近では徐行を心がけ、歩行者の動きに気を配りましょう。特に、高齢者の利用が多いと考えられる施設付近では細心の注意を払って運転することが大切です。

どちらの立場であったとしても、「来るかもしれない」と常に考えて行動することが大切です。相手が自分を気遣って動いてくれるとは限りません。そのため、交通事故の被害者にならないようにするには、相手に「当たり前の行動」を期待せず、自ら主体的に交通事故を回避する姿勢が必要になるのです。

→交通事故の被害者が知っておきたい供述調書

主体的に交通事故を防いでいく

交通事故を理解するには、さまざまな要因を理解する必要があります。そのため、交通事故を他人事だとは考えずに、主体的に防いでいかなければなりません。交通事故の被害者となってからでは遅いのです。また、車を運転する立場の人も、交通事故にかかるリスクがどれだけ高いのかを理解しましょう。

皆さんもぜひ、自分事だと思って交通事故への対策を練ってみてください。

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