交通事故被害者の交通費請求について

2020-03-08

交通事故に遭って怪我をした時の通院にかかった交通費を請求することができます。被害者本人にとっては当然のように思える費用も保険会社から見れば少しでも減らしたいお金です。支払われる交通費と支払われない交通費にはどのような差があるのでしょうか?この記事では交通事故被害者が請求できる交通費について解説します。

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通院交通費とは?

交通事故被害者に支払われる交通費とは、交通事故の怪我の治療のための通院に要した交通費です。そのため通院交通費と呼ばれます。

「もし、交通事故に合わなければ支払う必要がなかった費用」と認められたときに通院交通費と認められ支払い対象になるのです。通常は治療が終わってすべての費用が確定したときに支払われます。しかし、多額の費用が掛かる時や長期治療のために総額が確定するのに時間がかかるときなどは、一カ月単位など定期的に支払われることもあります。

どちらの請求方法にするのかは被害者が選択します。いずれにしても請求しないことには支払われることはありません。通院交通費請求には保険会社に「通院交通費明細書」を出す必要があります。保険会社ごとに様式が違うので、加害者が加入している保険会社から書類を取り寄せなければなりません。

また、請求時には必要とされる領収書なども添付します。

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公共交通機関を使った場合の交通費請求

通院に利用した交通機関がバスや電車などの公共交通機関の場合には領収書は必要ありません。利用した区間が分かれば運賃は誰にでもわかることなのであえて領収書を必要としないのです。公共交通機関による通院交通費が認められないのは非常にまれです。

ただし、週に一回の通院にもかかわらず毎日利用した場合など、明らかに過剰出費とわかる交通費は支払われません。通院頻度が多い場合には間違いなく診察や医療処置を受けたとわかるものを用意しておいた方が請求がスムーズに進みます。

医療費用明細書などは必ずこまめに保管しましょう。

タクシーを利用した場合

通院交通費は公共交通機関利用を原則に考えられています。そのためタクシーを利用する場合には、タクシーでなければいけない理由が必要になります。例えば足に怪我をして歩行も運転も困難な場合や、ひどい痛みや不快症状があって公共交通機関利用が困難な場合、遠距離にも関わらず公共交通機関がない場合にはタクシー利用が認められます。

もし、特に必要性がないにもかかわらずタクシーを利用したときには、タクシー代は支払われず公共交通機関を利用した場合の金額が支払われます。タクシー代は自宅から病院まで同じ区間を利用しても料金が異なることが多いので、都度領収書が必要になります。

自家用車を利用した場合

通院に自家用車を利用した場合にはガソリン代、高速道路料金、駐車場料金を請求できます。もし、通行料が必要な区間を通らなければ通院できない場合には通行料も請求可能です。これらの費用の内、ガソリン代以外は実費を請求します。

そのため領収書やレシートを保管しななければなりません。高速道路料金に関しては、高速道路を使用しなければ行けないと認められた場合に支払われます。もし、高速道路を使用しなくても通院でき、なおかつ治療に問題がない医療機関が他にあるなら高速料金は支払われない可能性があります。

駐車料金も基本的には医療機関で利用する駐車場の料金だけです。途中で立ち寄った商業施設やレストランなどの駐車料金は請求できません。また、通院に要したガソリンの量を正確に把握するのは困難です。そのため、一般的に1kmあたり15円という料率が採用されています。

もし自家用車が電気自動車であったとしても、大型車であっても軽自動車であっても採用される料率は現状では1kmあたり15円です。この場合の距離の算定は最も近いルートの距離を算定します。最短ルートが危険を伴う場合には安全なルートで算定されます。

被害者の付添人などの交通費について

交通事故にあって怪我をした場合、怪我の程度によっては一人で通院するのが困難なこともあります。たとえば視覚や聴覚に問題が出たときや足の怪我がひどく歩行が困難な場合などです。この場合付添人の交通費も通院交通費として請求することができます。

また、被害者の怪我の程度がひどく入院中に家族などの付き添いが必要になった場合も同じです。ただし、このような費用は損害賠償金の一部とされることも多いため、別途支払われないケースも少なくありません。入院している交通事故被害者を見舞った友人、知人に関しては交通費の支払いは困難です。

一方で外国人学生が交通事故にあって大怪我をして、慌てて海外から駆け付けた両親の渡航費が支払われた例もあります。怪我の程度がひどく、親族が遠距離にしかいない場合には遠距離からの交通費が支払われた例はほかにもありますが、簡単に認められたわけではなく裁判によって勝ち取られたものです。

この場合の怪我の程度は、例えば生死にかかわる、高度機能障害などの後遺障害が残る可能性があるなどです。

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将来的に交通費が必要と認められた場合

症状が固定した後も通院が必要と認められた場合には将来分として通院交通費が支払われることもありますが非常にまれです。多くの場合には後遺障害に対する賠償金に含まれてしまいます。

自転車や徒歩通院の場合

自転車や徒歩で通院した場合には、別段交通事故による交通費が発生しないので交通費は支払われません。

勤務先などから医療機関までの交通費について

けがの程度があまり重篤でなかった場合や、快方に向かった場合には働きながら治療を継続することが多くなります。そんな時には勤務先から医療機関に行くことも少なくありません。この場合は勤務先から医療機関までの交通費が支払われます。

自宅から勤務先までの交通費は交通事故に合わなくても発生するものだからです。また、怪我をしてしまったため、通勤に公共交通機関を利用するのが困難になり、タクシーを利用した場合には、タクシー代から公共交通機関料金を差し引いた金額が支払われます。

公共交通機関による通勤費は交通事故に合わなくても発生する費用だからです。

通院交通費の請求には怪我の程度と領収証の存在がものをいう?

通院交通費は揉め事になりにくい費用です。しかし、高速道路料金、タクシー代、付添人の交通費など全く揉めないわけではありません。その時には、あまり高額と思わなくても、まとめてみれば意外に大きな費用になります。

どの場合にも怪我の程度で、その必要性が決まります。また、領収書の有無が大きく影響します。タクシー代などは、後日請求するのは困難なものです。必ず、利用する都度領収証を受取ることが大切です。